ご両親に日頃の感謝を伝えたいと思っても、なかなかタイミングを掴めない…そのような方は多いのではないでしょうか？右も左も分からない頃から面倒を見て、いろいろなことを教えてくれたご両親へ、親孝行をするタイミングとしておすすめするのがご長寿祝いの時期です。節目を迎える年で、ご両親への感謝の気持ちを形にしやすいでしょう。中でも、還暦祝いはとてもメジャーです。
還暦を祝うのはなぜ？
ご長寿祝いは、祝う時期によって呼び方が変わります。「還暦祝い」は、満年齢60歳の年にお祝いをします。本来は数え年が61歳の時にお祝いをするものでしたが、現代では満年齢でお祝いをするケースがほとんどです。
60歳という時期は、昔の暦で十干（じっかん）と十二支が同時に一巡するタイミングになります。十二支は、「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」の12要素を、十干は古代中国の思想が発祥となる「甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸」の10要素を指します。干支と十干をあわせたものを「十干十二支（じっかんじゅうにし）」といいます。甲子の組み合わせから始まり、翌年は乙丑、また翌年は丙寅と順番に移り変わっていき、60年後には甲子の組み合わせに戻ります。60年が経過すると、誰もが生まれた頃の十干十二支に戻ることから、満年齢60歳の時期を、暦が還る「還暦」と表現します。そして、還暦を祝福するのが還暦祝いです。昔は、還暦祝いは、本人の長寿を祝福し、いっそう健康に過ごせることを願いながら、あわせてお祝いをした周りの人も長寿にあやかるために、還暦祝いがされていました。
還暦の他にも、ご長寿祝いのタイミングはあります。70歳の時期の古希、77歳の時期の喜寿、80歳の時期の傘寿、88歳の時期の米寿、90歳の時期の卒寿などです。どの時期も、ご両親への感謝を示すタイミングとしてはぴったりです。
還暦祝いに人気のプレゼント
かつてはご長寿祝いでは、基調色にあわせたプレゼントが贈られていました。有名なのは、赤や朱が基調色になる還暦祝いのプレゼントです。赤は、昔は魔よけの力があると考えられていて、赤ちゃんの産着に使われていました。そして、「赤ちゃんに還る」という意味から、かつては赤いちゃんちゃんこが還暦祝いのプレゼントとしてメジャーでした。しかし、今はより実用性のある品物が好まれるそうで、赤いタオルやマフラー、寝具などのプレゼントが人気です。
色にこだわらず、ご両親が好きなものをプレゼントするという方もいます。お酒が好きな場合はワイン、甘いものが好きな場合は和菓子や洋菓子などです。ご両親の好みに沿ったプレゼントが見つからない場合は、見た目が華やかで気持ちを明るくしてくれるプリザーブドフラワーや、縁起物の鰹節などがよく選ばれています。他には、手元に残るものを贈りたいという気持ちから、こちらのようなご長寿祝いのプレゼント用似顔絵を描いてもらうケースも多いです。手描きで丁寧に描かれた似顔絵は、一生の宝物として喜ばれるでしょう。